blog | らいちょうくんの写真館

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カメラを持って"世界"を歩こう。

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[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2025/2/28

大寒波の日本海

前回のお話

 「大寒波が来る。」。朝のAMラジオは週の始まりから警戒するように報じていた。かねてから列島の太平洋沿岸を舐めるように進んできた低気圧は日本海上に発生したもう一つの低気圧を呑み込んで北海道の上空に大きな渦を形成した。等圧線は縦に並び、日本海を吹き抜けてくる冷たい風は大量の湿気を含んで列島に吹き付けるのだった。

 その効果は覿面で日本海沿岸の街には大雪をもたらし、奈良南部でも山や街は白く雪化粧したのだった。関西で写真を撮る者にとって雪は非常に貴重な被写体で、普段だと滋賀県北部や福井まで行かねば雪は撮れない。海沿いで雪の写真を撮ろうとするとより一層難しい訳で、この貴重な機会を逃すまいと会社から帰ってからすぐに機材を引っ張り出し、翌日の準備をするのだった。

 出発時間は午前3時半と決めて床についたのだが、一時間おきに目が覚めてなかなか寝れない。2時にも目が覚めて、各駅停車で起きてきたのに3時には起きれなくて4時に気がつく「あるある」かと思ったが、無事に3時に目が覚めた。

 眠い目を擦りながら寝癖直し、髭剃り、着替えを済ませて車を取りに行く。駐車場から自宅に戻り、カメラとレンズ、フィルムが入ったカバン、三脚、長靴を車に積み込んで出発。今回の目的地は丹後の日本海。予報では10時までは雪だがそれ以降は雨に変わるとのことだったため、雪の時間を逃すまいと早朝の出発としたわけだ。使う道もいつもは下道だが、今回は贅沢に全区間で高速道路を使うことにした。

 最寄りからすぐに高速に上がり、大山崎JCTで北向きに進路を変える。名神高速では何の規制もなされておらず快調に進んできたが京都縦貫道は早くも雪により50km規制。飛ばせないことに不満を抱きながら進んでいたが、京都盆地を抜け出す頃には雪が舞うようになってきた。

 トンネルを抜けて京都第二の街、亀岡に入ると路面には雪が積もるようになった。路肩だけだった雪はすぐに路面にも侵食してくるようになり、すぐに道路はモコモコな状態になってしまった。南丹PAでタイヤのチェックをされ、確認済みの紙切れをダッシュボードに置くように言われた。しっかりとスタッドレスタイヤで武装しているので、難なく検問を通過して雪に挑む。今回は初めての雪道であったが、非常に湿気が多くて踏むとすぐに溶ける雪なので初心者入門コースにはちょうど良かった。

 トンネルから抜けようとするときには、外に設けられた街灯に雪の粒が照らされて非常に幻想的である。免許を取って4年目、自動車を購入して3年半目にしてようやくしっかりとした雪道を走れた。去年からスタッドレスを買って準備はしていたが、去年は暖かすぎてほとんど雪が降らなかった。親の運転でスキーに連れて行ってもらっていたのが、自分の力で雪のある所まで走れるようになったことは感慨深かった。

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 順調に道を進み、少しずつ明るくなり始めた頃に丹後、峰山の町に到着した。コンビニで朝食と飲み物を購入し、すぐに出発。10時頃から雨に変わる予報であったため急がねばなるまい。国道を北に駆け上がり、間人港で右折して海岸道路を進む。雪があるとは言えよく知った道だ。

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 お目当ての棚田に到着。大量に雪とは行かなかったが、これはこれで良いのではないだろうか。

 なんとか写真は撮り終えたが、予想よりも早く雨が降り始めた。腹も減ってきたので撤退して場所を変えることに。

 海岸沿いの国道を戻り、浜辺に車を停めて買っておいたサンドイッチを食べることにした。すぐ下には何重にも寄せてくる波が見え、車の所まで迫ってきそうな勢いだ。雨が止まないかと気象庁のナウキャストを開けば雲は小さく、少し待てば止むようだった。それまでは車でゆったりと過ごす。ストーブがあれば紅茶を沸かせるのにと思い、心の欲しいものリストに追加する。

 フロントガラスに落ちてくる雨粒の数は次第に減って傘を差さなくても歩けるくらいになってきた。車から降りて長靴に履き替え、カメラを持って出かけることにした。「え、長靴?」と思われるだろうが、砂浜に長靴は最強。歩いても靴の中に砂が入ってこないし、多少波打ち際を攻めても濡れることはない。前に熊野の七里御浜でつま先を濡らされて学習したのだ。

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 今回のカメラはHP5+を詰めたF2とD780。そのため今回の記事は白黒のフィルム写真とデジイチの写真が混在している。

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 少し崩れた砂丘の上を歩き、浜へ降りていく。降りるとは言ってもこの波では怖いので少し離れたところから眺めてみる。沖に点在する岩礁に波が当たると白い柱となって吹き上がる。それと今回うれしいことに風がやや山風であること。海からの飛沫がこちらに来ないのでカメラや自分が汚れない。さらに風が波を支えてくれるので、巻き波がチューブになりやすい。これもなかなかの満足ポイントだ。

 しばらく波を眺め、徐々に波高が上がってきているように感じたので戻ることにした。

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 また国道を戻り、もう一つの撮影ポイントへ。途中にあるいつも「パチモン松島」などと罰当たりなあだ名を付けている丹後松島もこのときばかりは荘厳な雰囲気を醸していた。やはりパチモン感は拭えないが。

 次の目的地は釣り人が多くて車を停められない時もあるが、さすがにこんな波では釣りにはなるまい。予想通り誰もおらず、すんなりと車を停められた。ここは砂丘の上に集落が作られていて、砂浜の背後が最も高くなっている。そのため、集落から海はやや見えにくく、車を停めたところからは海は見えず、波の音も砂に吸われて聞こえづらい。しかし、海のほうがやけにモヤがかかっており、霧が出ているようであることはわかった。いぶかしげに丘へ上がってみると、あまりにも波が荒くて崩れた波頭や岸壁に打ち付けた波が大量の水滴を空気中に供給していたのだ。

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 先程の海岸は底も砂になっているのか波の立ち方は幾分か穏やかだったが、こちら海底に岩礁が横たわっていたり、湾が波を導きやすい西向きになっていてるので非常に荒く大きな波が立つ。

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 防波堤をも波は越えて灯台の両脇から海水が流れ落ちる。

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 右側を見れば沖から何重にも波が押し寄せ、丸かった波頭は徐々に三角形に尖っていき、前面が凹んだと思ったら一気に波頭が前に出ていき、最後はチューブになってまた普通の波に戻る。そして海岸へ接近していくと波頭は再び三角形になり、もう一度チューブを形成して浜へ打ちつける。ずっと見たいと思っていた冬の日本海がそこにはあった。

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 モータードライブが欲しいなと思いつつ何回も手動でフィルムを巻き上げ、いい波を余すことなく最後まで撮りきるようにした。サーファーだけでなく、カメラマンにも波待ちは必要なようだ。

 かれこれ1時間ぐらい波の写真を撮って過ごし、13時も回って空腹に耐えかねて街へ戻ることにした。長靴の砂を水たまりで落として車に乗せ、カメラもカバンにしまって出発。

 30分程度で峰山の街に到着し、王将で昼食とした。餃子券を持っていたので餃子2人前に焼き飯を付けて900円。非常に満足であった。閉店時間も近いこともあり、ササッと食べて店を出た。

 行きは高速だったが帰りは経費を節約して一般道。176号から173号を経由して大阪へ戻っていった。途中の峠では道の両脇には雪が積み上げられ、夜間の積雪量を物語っていた。綾部の街にも雪が積もり、夏場とは違う街のようだった。結局完全に雪を見なくなったのは一庫ダムの横まで帰ってきてから。なかなか2025年の冬は厳しいようだった。

 いつもの道だが、いつもとは違う景色に感心しながら今回の日帰り旅行も終了。最近は鉄道で出かけるのが続いていたが、自動車の自由さは実に素晴らしい。この後順調に大阪まで走り続けたのだが、最後の最後でちょっとした悲劇があったのはまた今度の話に。

 それでは今週はここまで。今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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