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Grouse Photograph Gallery

カメラを持って"世界"を歩こう。

[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2025/6/27

写真の楽しさを再確認させてくれた土曜日

前回のお話

 先週の土曜日は朝の3時から行動を始めて22時に寝るまで絶え間なく動き続けていた。ざっと説明すると3時に起きていつもの棚田に行ってアジサイやらの写真を撮って8時に帰宅。朝食をとってゆっくりしたら10時には日産に行って車の部品を受け取り、そのまま写真屋に行って現像済みのリバーサルフィルムをスキャンしてもらった。その後一旦家に戻って昼食を食べて今度は京橋のGallery Room305へ「国産中判フィルム写真展2025」の見学へ。1時間半ほど滞在して駅へ戻り散髪して一日が終了。

 週の中頃から何とか1日でこなせないかと考えており、これが黄金のコースだった。ちなみに日曜日は何をしていたかというと洗車と部屋の片づけ。いつも頑張ってくれているのと汚れが蓄積すると夏の日差しでコーティング層を痛めるので早めに洗っておく。部屋の片づけは防湿庫増備のためにスペースを作りたいからだ。そろそろ今持っている防湿庫も満杯になってきてカメラが溢れているので増やしたい。

 脱線したが土曜日の話に戻る。朝から写真を撮って、処理して、見るという写真のほとんど全てを一日で体感したような日だった。「国産中判フィルム写真展2025」は5月の末頃だったか開催されることを知り、うまく予定が空いていたので行ってみることにした。一応PENTAX6×7を所有しているのでレギュレーションは満たしているわけではあるが、出展者の方々に比べれば私なんかは大した事ないもので、もっと沼の真ん中かつ深みを進んでおられた。

 展示自体も50名の方が3枚ずつ展示されているのでなかなかの見ごたえで壁面全てが中判の写真で覆われていた。また、展示室の中心に置かれたテーブルには図録のサンプルに加えて出展者が持ち込んだ手焼きプリントやシノゴのリバーサルフィルムが置かれていて筆者も見せていただいた。手焼きプリントはコピースタンドで有名なTKさん(@takuya096)のものでどのカメラで撮ったのかも教えていただいた。私も持っているPENTAX17で撮影されたものもあり、2枚並べて一枚の印画紙に焼き付けてあったが一枚だけ見てもハーフ判とは思えないシャープさだった。また印画紙に焼き付けた写真を見たのも実は初めてで印画紙の質感と写真の様子は非常に好印象で頑張ってプリントできるように物品の購入を進めたいと思った。

 展示の写真の他にも中判のフィルムで撮影されたリバーサルフィルムを持っておられる方がたくさんいてルーペを使って拝見した。ルーペまで手が回らずいつもは50mmの単焦点を使って鑑賞しているのだが、やはりルーペ。非常に見やすい。またフィルム自体も大きいのでルーペを使って絵を部分的に拡大して見られるのも非常に楽しい体験だった。さらにギャラリーは非常に日当たりが良く、太陽光に透かして見たりもした。太陽光に透かすので当たり前ではあるが透明感が素晴らしく、これはどうやってもデジタルでは真似できない。中判ともなると135フィルムとは違って直接見ても絵が大きいのでそのままでも鑑賞の楽しさは大きい。極めつけは6×17という驚異的なフォーマットで撮影されたものだ。SNSでは見たことがあったが、現物は恐ろしく美しい。これは非常にまずいぞ。欲しくなる。

 展示物やフィルムの鑑賞会も楽しかったのだが、在廊されていた出展者の方々との会話が最も楽しかった。普段自分の周りにはフィルムで写真を撮る人がいないので非常に刺激的だった。カメラの話やプリントの話、リバーサルフィルムの話と普段できない会話がそこにはあった。

 さて、これだけでも十分なのであるが、さらなる興奮が待っていた。4月から3カ月かけて撮ったリバーサルフィルムのスキャンデータ。現像済みのフィルムを50mmの単焦点で事前に鑑賞しており、ある程度撮れ高を把握していたが、ピントがしっかり来ているのかは確認しづらいためスキャンを待っていた。

 始めの頃はかなりの枚数ピンぼけが混ざっており、露出が怪しげなものも相当数混じっていた。そんなこともあって問題なく撮れているのは36枚のうちの数枚だった。割と残念な結果に終わった最初のリバーサルだったが、2年も経てばほとんど失敗はしなくなった。写真の良し悪しは横に置いておいて撮影技術の上達を実感した。

 フィルムの前半は棚田の風景を撮るために段階露出をするなどして使い、残りの半分をスナップ用に使った。そんなリバーサルフィルムのスキャンデータを少しだけお見せしたい。

 まずは棚田と海。手持ちの50mmのレンズではこれ以上に構図を作れず35mmを持ってこなかったことを少し後悔した。しかし、フィルムの良さは滲み出ている。

×

 そして棚田からの帰り道。朝日に照らされて崖下の海がキラキラと黄金色に輝いているのが見えて思わず道端の広くなったところに車を停めた。

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 Velvia50は見たまんまそのままを残してくれた。。

 崖を下りて今度は海岸まで行くことにした。いつもは車を停めた目の前の砂浜を歩くだけだが反対まで行ってみる気分になったのでしばらく歩く。砂浜から磯に渡り、波が歩道を洗っているのでタイミングを見て進む。

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 飛沫が飛んできそうだ。

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 少しピントを外したが少し先の岩に波がぶつかる。

 岬をぐるっと周ったとこで先に進めなくなったので引き返し、再び浜辺に降りる。小さなビーチに切り立った崖。紅の豚のような世界だ。

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 次はvelvia50で撮った花たち。日本海の帰りに寄った蕎麦屋に植えられていたネモフィラ。ネモフィラは水色だが、velvia50で撮ると濃い青になった。

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 そして大本命の紫陽花。日程的に紫陽花園に行けなかったので、近所の徒歩五分の紫陽花を撮影。通行人から怪訝な顔をされるがそこは一旦気にしない。どこからどう見ても花を撮っているだけなので、トラブルにはならないだろう。

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 撮れた。感度が50なので少し深度が足りないが、これで良いだろう。角度と撮る花を工夫すれば余計な道などが写り込まず山で撮ったような写真になる。それに紫陽花園と違って他に人がいないので快適である。案外花の写真は名所に行くよりも近所で自分だけの名所を探すのが良いのかもしれない。

 まだまだフィルムが余っているので、滝を撮りに丹波に行ってきた。晴れている日ではなく敢えて雨の日を選択。この滝は水量が少ないので晴れが続くと枯れてしまうし、雨だと他に人がいないので自由に三脚を立て放題だ。

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 目論見通り他には人はおらず独占できた。デジタルでも撮影していたが、リバーサルフィルムの方が暗いところから明るいところまで潰れず飛ばずでうまくラティチュードに収まっていた。段階露出して2枚使ったが、まだ撮れる。

 再び自宅周辺の紫陽花を撮りに向かった。もう枯れかけになっているのでガクアジサイのガクの部分は垂れ下がるようになり、雨の酸性で色もまだらになってきた。花はいつか枯れるもの。背景の濃い緑と全盛を過ぎた花がわびさびの雰囲気を醸していた。レンズはいつもの50mm単焦点ではなくAi Nikkor 135mm f/3.5。撮影日は曇っており日光も少ないので絞りをf/4まで開けてもシャッタースピードは1/60秒までしか稼げない。ブレても仕方ないかと思いつつしっかりと脇をしめてできるだけカメラを固定するよう務めた。何とか手振れせずにピントも外さずフレームに収まってくれた。やはり3年近くも何のお助け機能のないただのフィルムカメラで撮っているとそれなりには撮れるようになるものである。

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 嬉しさのあまり珠玉の4枚を選りすぐってtwitterに上げたところ私のアカウントにしては多くの人に見ていただけた。うれしいコメントやリバーサルフィルム良いなと書いてくれる人もいたのだが、結局一番もっと使いたいと感じたのは私だろう。最近では1本で5000円や6000円の世界だが何とか財布からひねり出せないかかんがえてしまっていけない。

 ひとまず今週はここまで。中判の写真展にリバーサルフィルムのスキャンと写真好きらしい週末だった。今週は感化されてPENTAX6✕7を再び奈良公園に持って行って試してみようと思っている。今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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