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カメラを持って"世界"を歩こう。

[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2025/6/13

フィルムカメラと初夏の海

前回のお話

 陽気で暖かな海よりも冷たくて寂しい海が好き。太平洋と言えば熊野灘のような僅かに緑が混ざった青。冬でも光が潤沢に注いで暖かな南国の空気が漂っている。

 一方の日本海は冬は大時化で人を海岸に近づかせない。波も小さくて風もないことが多いので沖に出ても風呂の水面ようなツルッとした表情のない海面が続いていることが多い。しかし、夏になってもどこか淋しげで不安を感じる。

 さて、今回は海沿いの棚田を撮りたくて早朝に起きてから一直線で撮影地を目指した。普段は使わない高速道路も使ってひたすら北を目指す。暫定二車線の割に値段が高く、料金と快適性がまるで一致しない京都縦貫道も夜明け前では誰も走っていない。予定通りに現場に到着。人もいないだろうと高を括っていたが、予想外にも同業者がチラホラ。幸いにも私が三脚を立てたかったところには人がおらず、欲しい位置に立てられた。日が昇ってくるまでゆったりと過ごし、太陽ができるだけ低い位置で写真に収める。

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 強烈な朝焼けを期待していたのだが、それほどの絵は与えてもらえなかった。数枚撮ったらトランクに機材をしまって撤退。日が昇り切る前に砂浜も撮りたいので八丁浜へ。

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 長い防波堤に囲まれているので波は小さくて湖のようにピチャピチャと短い間隔で浜に寄せる。

 一通り撮って満足したら朝食を買いに街に出る。フィルムカメラを持って丁寧に過ごしていそうに見せかけてコンビニ飯。しかし、ローソンは少し凝ったものが置かれていることが多いので普通のサンドイッチではなく「まい泉」のカツサンドにした。ほどほどな値段で、分厚いカツサンドだったので満足できた。

 最近は間人ばっかりだったが今回は久しぶりの網野。やはり網野はある程度街なのでコンビニも2軒あって食料には困らない。それくらいの街にはなっているのだが、これまで歩いたことがないので今回は海は少し置いて漁師町らしい網野を散策することにした。

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 ツタにまみれた倉庫と煙突。煙突は焼却炉のものだと思われるので何か工場として使っていたのだろうか。裏通りに入ると一気に漁師町らしくなる。家々は全て板張りで土壁はない。

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 静かな通りを一人で歩く。

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 県道に戻ってきた。時間もまだまだ早く車通りは疎ら。

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 軽トラックが行き交う。

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 そして再び裏通りに入る。車では今まで通ったことがないし、車に乗っているとわざわざ通らない。自分の街にはない発見が小道ではたくさん見つかる。東京や大阪などの大都市でのスナップも良いが、漁村や農村などの昔ながらの町で写真を撮るのもまた良い。

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 一通り町で写真を撮ってフィルムの残り枚数も少なくなったので、いつもの浜辺へ向かう。今日も浜は無人。丹後の浜で一番有名なのはやはり琴引浜。鳴き砂で有名で広々としている。しかし、人が多く海に入る人もいるため写真を撮るには不向きである。そんな中人のいないこの浜は私のオアシスだ。

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 いつもは車を降りてすぐのところで写真を撮っているが、今回は反対側まで行ってみることにした。

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 露出を間違えたみたいで少しオーバー。南国のようになった。

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 端っこの磯に到着。波は岬に集まるので海に突き出た磯には比較的大きな波が打ち付ける。どの辺りまで行けるのだろうかと波が低くなった時を見計らって波が撫でていく通路を進む。しばらく磯を歩いてみたが、半分くらいで足場が難しくなり断念。進めないこともないが靴を濡らすと運転できないので諦めた。

 また帰りも波の様子を見つつ引き返す。磯の方から浜の端を見ると崖がわずかに反り立っている。冬になると波が集まって削るのだろうか。

 フレームの力を借りて反り立った部分だけを撮ってみる。少し狭いがサボイア号と灰色のテントを置けばポルコのアジトのようだ。

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 そうこうしているとここでフィルムが終わってしまった。フィルム写真を始めたての頃はフィルムをなかなか使い切れなかったのだが、さすがに3年も使っていると36枚を使い切ることが多くなってきた。たいていは予備のフィルムを持ち歩いているのだが、今回は別のカメラにリバーサルを入れているので今回は持ってこなかった。

 そのリバーサルも4月の頭にフィルムを入れてからついこの前にようやく撮り終わって現像が上がった。春から初夏までを1本のフィルムで撮ろうと思っていたので、だいたい計画通りに使い切れた。スキャンだけがまだ残っているので完了したらまたお披露目したいと思う。

 さて、フィルムを使い切った私はいつものように弥栄の蕎麦屋で昼食を取り、渋滞する前に大阪に帰る。早朝に出てきて皆が着く頃に引き返す。これが最も快適だ。

 今回はここまで。今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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