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カメラを持って"世界"を歩こう。

[あなでじ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2026/02/22

写真とレタッチ ⅼ モノの色は何色か。

前回のお話

 最近になってようやくレタッチをしたときに作りたい絵が浮かぶようになってきて、ネガフィルムでは撮らないようなハイコントラストな写真にしている。デジタルでどのように仕上げたいかというと昔の大判リバーサルのような自然で重厚な写真が私の目指すところである。

 そうとは言ってもレタッチはするし、トリミングもする。レタッチはダメと言いたいわけではないし、むしろ必須だと思っている。それでもSNSに上げる写真を全てレタッチする程のマメさと気力は持ち合わせておらず、できるだけ撮って出しで使えるようになっているのでピクコンや露出を工夫しているところである。

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 少し前に絵を描くときの話で、年を取れば取るほど固定観念が強くなって自由な色使いができなくなるというツイートを見た。リンゴならどんどん真っ黒な塊になってしまい、指導しても矯正できないそうだ。

 それで思い出したのが、写真のレタッチ。SNSで見るレタッチの傾向と言えば桜はどんどんピンクになって、壷阪寺の石仏までピンクになっていたり、川の水はどんどん青くなっていく。意図は分からないが、桜はピンクで水は青という固定観念がやはりあるのだろう。絵を描くのであればゼロから塗っていくので分かりやすいが、写真なら既に写っているものを書き換えていくのだから面白い。

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 桜と言えばピンクであるが、梅もそうであるし、桃もピンクである。12色の色鉛筆で塗るとどれもピンクになる。しかし、桜と梅と桃は全て違う色であることに反論する人はいないだろうし、桜の中でも品種によって色が違うことを知っている人は多いと思う。ヤマザクラはほとんど白くてソメイヨシノはそこから少しだけピンク色になって、彼岸桜や河津桜はさらに濃い色になる。

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 こういう話を書くと必ず本当の色という風に話が逸れていきがちだが、私も「本当の色」というのはないと思っている。見え方は人それぞれであるし、他の動物はそもそも白黒でしか見えていない。モノの色を議論するときによく登場するのが「本当の色」とか「本来の色」という考え方だが、実は大事なのは被写体側の色ではなくて受け取る側の色なんだと思う。受け取り方はそれぞれであるが、個人差がそれほど大きいかというとそうでもないと思う。明らかに見え方が違う場合は日常生活に支障をきたすことがあるので「色盲」と診断されることがあるし、彩度マックスのように極彩色で世界が見えている人がいるとはなかなか考えにくい。

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 問題は被写体の様子を頭のなかで再現するときにどんなフィルターをかけているのかが人によって大きく異なるのだと思う。彩度マックスになるフィルターをかける人もいるだろうし、ジブリのようなフィルターをかける人もいると思う。ただ、フィルターをかけ頭の中で再現するときに持っている色鉛筆が12色の人と42色の色鉛筆の人では色の解像度が全然違うだろう。桜の色にしても品種ごとの色の違いまで分解できる人がいれば全部ピンクと表現する人もいるだろう。川の水の色にしても同じ奈良県の川でも吉野川と十津川では全く別の青色だ。

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 写真を撮っていて楽しいのは注意して観察すればいつも新しい発見があること。私の住んでいる関西の海は日本海と瀬戸内海と太平洋。この3つの海は全て色が違う。日本海は黒々とした青で瀬戸内海はやや灰色がかった青。太平洋側(熊野灘)は純色のような青。そういうことに気付いていても改めて海に行くと、波が押し寄せてきて、波が立ち上がった巻波の中を見ると驚くほど美しい水色になっている。

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 他にも雪の色と言えば白だが、雪に穴を空けて中を覗けばこれまた深い水色で独特の色だ。山に積もった雪を描くときは影になった部分を水色に塗ってやると非常にそれっぽくなる。

 水は青、桜はピンク、雪は白と決めてしまえば分かりやすいが、それ以上の発見はないし、写真に写っていてもわざわざその色に塗り直さないいけなくなる。パソコンの画面でアレコレするのも良いが、浜辺に出て海を眺めてみるのもいかがだろうか。

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 今回はここまで。今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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