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カメラを持って"世界"を歩こう。

[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2025/10/3

フィルムカメラと晩夏の水田∣NikonF2

前回のお話

 もうすっかり涼しくなって秋めいてきたが、まだまだ私のフィルムは夏のままだ。奈良の水田は刈り取り寸前で黄金色に輝いている。私の感覚では奈良は田植えも刈り取り時期も少し遅めだ。

 私が中学生の頃までは家の周りにも所々水田が残っており、通学では大きな田んぼの横を歩いていた。春になると田は起こされて眠りから覚め、5月にもなると水が張られる。しばらくすれば田植えが始まり、梅雨時期にはしっかりと根付いていよいよ稲の成長が始まる。7月後半から8月にかけて稲の花が咲き、お盆には土用干し。9月が末になれば水を抜いてようやく刈り取りだ。

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 刈り取り後に秋祭りがあり、稔りを神々に感謝する。そのための祭りであったのに水田を失うと形骸化していき、今では馬鹿者たちの馬鹿騒ぎイベントと成り下がっている。

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 少しだけではあったが季節の変わり目を稲の成長で感じていた私にとって水田は大切なカレンダーだ。今でも水鏡の時期と刈り取り前はいつもの棚田へ出かけて写真を撮っている。もう少しで水を張るのだろうか、もう稲穂は黄色くなっただろうか。そんなこと考えるだけでも少しは季節を感じられる。

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 もう少し前にはなるが、国道を走っていると横に見える水田は穂が垂れ始めて緑から黄緑へ変化していたところだった。道端の広くなった所へ車を停めて少しだけ畦道を歩いてみることにした。

 朝の斜めに差し込む光はいつもよりも少しだけ景色を美しく見せてくれる。

 まだ少し収穫まで待たねばならない稲穂。今ごろはとっくに刈り取られて、稲株から​穭(ひつぢ)が出ているところだろう。

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 今年の新米も続々と出てきたが値段は下がらない。このまま米すらも作れない国になると日本の伝統も文化自体も怪しくなってくるだろう。備蓄米を放出したりなんやかんやしたが、結局効果は薄く、新体制にはなったが裏側が多くて全く期待できない。

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 せめて米くらいは満足に食べられる国にしてほしい。この願いは贅沢すぎるのだろうか。

 そんなことを考えながら田んぼの横を歩いた。

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 今回はここまで。今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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