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カメラを持って"世界"を歩こう。

[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2025/7/18

フィルムカメラを使い続けるワタクシ的理由。

前回のお話

 フィルムの値段がどんどん上がってカラーネガだと最低限でも1800円するようになってしまった。私がフィルムを始めた3年前でもColorPlus200であれば1200円で買えたのでちょっと上がりすぎじゃないかと思ってしまう。世界的な物価高により何でも値段が上がっている上に使い人が少ないので数の効率が効かなくてどうしても値段が上がってしまう。

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 そうとは言ってもフィルムをやめてデジタルに切り替えるかというと切り替えずに両方とも使うし、フィルムライクなデジカメを買うという方法もあるがそんなことはしない。デジタルはデジタル。フィルムはフィルムで全く別物であるし、デジタル的な方法でいくらフィルムライクを徹底してもフィルムの良さを食べ尽くせるほど良くは出来てない。フィルムとデジタルのどちらが良いという二元論ではないし、フィルムとデジタルでは全く別の料理である。和風のフランス料理を作ったとしてもそれはどこまで行ってもフランス料理である。

 実際にフィルムが好きでフィルムで写真を撮っている人でもデジタルカメラを持っていることはよくあるが、意外と彼らはフィルムライクには撮っていない。フィルムとは全く違うようなレタッチをしていたりプリセットを使っているようなことが多いと感じている。私自身もフィルムでできないことをデジタルでしているし、デジタルでできないことをフィルムでしている。

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 例えばネガフィルムは夜に弱いし、明暗差がデジタルほどはっきり出ない。夜に使うと補正しないと緑っぽく被ることが多くクリアにはなかなか写らない。影と光をはっきり分けようと思ってもアンダーが濁りやすいので明るく撮ると明暗差はそこまではっきりしない。一方のデジタルは暗いところで撮ってもアンダーが濁らないし、ダイナミックレンジが狭いので明暗差が非常にはっきりする。

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 一方のデジタルカメラは写りに関しては非常に万能で非の打ち所がないが、デジタルカメラにはフィルムカメラのような重厚な使用感はない。巻き上げや巻き戻し、フィルムの出し入れなどアナログ的な操作は固有のものである。それに使うフィルムによって写りが変わるのも他には代えがたい。

 旅行に行くときには特に楽しく感じるもので、事前に持っていくフィルムを選んだり、何本持っていこうかと考えるのも楽しい。デジタルだと36枚なんてあっという間だが、フィルムの36枚は多くもなく少なくもなくちょうど良い。私の場合だと2日で3本ほど使うことが多く、使い切っては入れ替えるのがある種リズムのようになる。

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 かと言ってデジタルカメラでも同じような手順を踏まないと撮影できなくするのも手ではあるが、表面的には再現できても単なる飾りであり虚しいだけだ。

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 元々はコンパクト・デジタルカメラで撮っていたスキーの写真も去年からはフィルムカメラに置き換わり、今年はPENTAX17の登場もあって完全にフィルムで雪山を撮るようになった。少し危ないなあとは思うものの、レンズの出っ張りも少なくてウエアの中にカメラが収まる。重さも非常に軽いので滑っているうちに背中にあったカメラが腹側に回ってくることもない。

 白黒で撮るのが好きなのでスキーをしながらお手軽に雪山を撮れるのが何よりも嬉しい。

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 白黒フィルムと言えば、フィルムの現像の中では最も手を出しやすく、プリントも比較的容易だ。PCを使ったデジタル現像はどうしてもあまり好きにはなれないが、アナログプロセスは割と楽しくできている。それでもフィルムの現像は途中経過が分からず目隠しでするようなものなので最近は単なる作業となってはいるが。

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 こんなところが私がフィルムカメラを使い続ける理由である。結局のところ、私にとってはデジタルプロセスよりもアナログプロセスの方が性に合っていてやっていて楽しいというのに尽きるかもしれない。実際に手を動かして、ものを見て写真を作るというのが何でもデジタルで実体のない現代において希少な行為だと思う。

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 1年かけて用品類を揃えているアナログプリントの準備もそろそろ佳境を迎えてきて、もう少しでプリントできそうだ。時代に逆行しているのでエネルギーは必要だがこれからも続けていこう。

 今回はここまで。今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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