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カメラを持って"世界"を歩こう。

[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2025/5/9

春の日本海とNikonF2

前回のお話

 冬の荒れ狂う日本海を撮るべく寒波に合わせて二度丹後に出かけた。それまでは冬以外の平穏な日本海ばかり眺めていたので、大きな波が打ち寄せる絵は見慣れていても非常に新鮮なものだった。

 季節は既に春真っ只中で桜が散れば水鏡の季節はすぐそこ。私の1番の被写体である水鏡の棚田を撮るために今回はその下見に同じような時間になるように出かけた。機材はVelvia50を詰めたNikonF2とProImage100のNikonFM2、そしてデジタルのNikonD780の3台。風景の写真はリバーサルフィルムとデジタルで撮影していい方を採用する算段でいつも2台使っている。風景写真が楽しいのは日の出の辺りだけで過ぎてしまえばそれまでで、F2はスナップ用にProImage100を詰めて持ってきた。

 普通F2で風景を撮ってFM2がスナップだろうというご指摘があると思うが、私のF2はあまり露出計が正確でないため、正確に測れるFM2にリバーサルを入れている。そのうちしっかりと露出計を持ちたいと思っているものの、なかなかそこまで至らない。

 Velvia50はまだ半分までしか撮っていないし、デジタルデータもまだ未編集であるため、今回はF2のProImage100で撮った写真で春の日本海を語りたいと思う。ちなみに私のF2の内蔵露出計はどうやら本来よりも0.5段分アンダーに表示するらしくEI50で撮影した。

 さて、本題に移る。いつものように会社から帰ったら晩ごはんを食べて風呂だけ入ったら車に荷物を積み込んでそのまま出発。ケチなので大阪から丹後まで高速は使わず下道だけでゆく。今の車になってから初めての丹後であり、その乗り心地を試すにも丁度よい。

 一度梅田に向かい、新御堂筋を経由して池田へ。池田からはひたすら北上し深夜の綾部市街を通り抜け、由良川を渡り、与謝峠を越えたら丹後の平野へ降りてくる。峰山から竹野川沿いに北上して間人へ。途中で15分ほどの仮眠を取った以外に一度も止まらずに進めたため、4時半には砂浜に到着。D780とFM2で数枚写真を撮った。いつもなら水平線から空が赤く染まってくるのだが、黄砂のせいで空は黄色くぼんやりしたまま、ぼやけた太陽が山の稜線を越えてきただけだった。

 車にカメラと三脚を仕舞い、今度はF2を取り出して浜を歩くことにした。早々に風景写真は止めたのでまだまだ写真は日の出の名残がある。

 漁村らしい板張りの家屋には海の面だけ光が当たり、壁が輝いていた。

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 海も冬の荒々しい様相は無かったかのように完全に凪いでいた。

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 何かの小さな足跡。

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 浜の端には掘り込み式の小さな港が作られており、港を守るための突堤が湾の中ほどまで延びる。突堤を歩くと打ち寄せる波は眼下に見え、富嶽三十六景の波のように砂浜へ躍り出る。

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 突堤に守られた内側はより波は小さく、静かに水の塊が砂を押すのみである。

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 一晩中運転してきたが、しっかりとしたものは何も食べておらず、空腹に耐えかねて朝食をとることにした。浜から陸に向かうとたくさんの草花の向こうに廃れた倉庫らしき建物があった。

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 いつもは砂にちょっとした草が生えているだけだが、今回は大量の草花が咲いている。菜種のような花で何だろうかと思ったが、花の名前は分からず、Googleレンズで画像検索してみた。正解はスズシロだった。まさかの春の七草。名前だけは知っていても実際に生えているのは見たことがなかった。切り身の魚は知っているが生きている魚は見たことがないというのと同じような話で、情けない話だ。

 最寄りのコンビニはヤマザキショップであるが、この時間は品物があまりないので、15分ほど走って網野まで。

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 土曜日であるが、どうやら学校があるようで小学生も高校生も登校していた。土曜日まで可哀想にと思ったが、どうも公立の学校の児童生徒のようで、冬場は雪が多いのでひょっとすると冬に休みがあるのかもしれない。

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 値引きになったパンやらを食べて、もう一度間人に戻る。港を少し過ぎて丹後松島の展望台があり、車も停めれるようになっている。駐車スペースの上には木の枝が張り出しており、昼寝には丁度よい。同じようなことを考える人がちらほらおり、皆で仲良くお昼寝。結局1時間程熟睡し、暑くなって目が覚めると11時過ぎであったので、昼食の蕎麦屋へ。道が混む前にそそくさと帰る。帰りにはいつも蕎麦屋による。場所が丁度帰り道というのもあるのだが、十割蕎麦である上に挽きたての蕎麦粉を使っているので非常に風味が良い。それに蕎麦つゆも関西らしく出汁の効いたもので、関西人にはやはり出汁の味が良い。

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 スマホ写真であるが、こんな感じ。普通の蕎麦だと灰色に少し茶色を混ぜたような色だが、この蕎麦は薄っすら緑色。挽きたてであるからかは分からないが、プツプツ切れないのが不思議だ。

 最後に蕎麦湯をいただいて、つゆを薄めて飲んだら車に戻る。

 いつもの丹後日本海コースであったが、今回もゆったりできた。夏までの短い期間であるが、ゆったりのんびり写真を撮って遊べる季節がやってきた。今年は何回くらいいけるかなと思いながら帰路に就いた。

 今回はここまで。今週も皆様にとって良い週末となりますように。

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