[アナデジ写真記]
毎週だいたい金曜日に更新するblog。
2025/3/21
白黒フィルムの楽しさとSNS
昨年にILFORD製の白黒フィルム、HP5+の100ftの長巻きフィルムを買ったのでチマチマと36枚撮り買う必要がなくなった。PENTAX17には常にこのフィルムが入っている状態で、日常の写真は全て白黒。日本海まで写真を撮りに行くときもカメラには長巻きから切り出したHP5+を入れることがほとんど。

表題からは逸れるがフィルムローダーで空のパトローネにフィルムを詰めて、これを2本分、72枚分を用意する。2本のパトローネを黒いケースに収めてカメラとともにカバンに入れる。カメラに入れておいたフィルムを使い切ったらケースのフィルムと入れ替えて新しいフィルムを装填。帰って撮影済みのフィルムを現像してスキャン。この一通りの流れが儀式としてなかなか楽しくて病みつきになってしまった。自分で現像できるというところも大きく、ゆくゆくはプリントもできるようになりたいところ。


そんな事もあって昨年の秋頃からはひたすら白黒で写真を撮るようになり、秋からの撮影枚数は400枚を越えた。36枚撮りに換算すると11本程度になり、今までに比べてかなりのハイペースで撮ってしまった。一方のカラーネガの方は秋から5本程度と白黒の半分だった。


今では白黒の方がカラーよりも多くなっているが、元々から白黒が多かった訳では無い。以前はカラー3本撮ったら白黒を1本撮る程度で大部分はカラー写真だった。長巻きフィルムになって大幅にコストが下がったことも大きな要因だが、それ以上に白黒が楽しくなったことが大きい。


以前はカラーと違って色彩を使えないことからスナップの時などにしか使っていなかった。慣れるまではファインダーを覗いているときに白黒のイメージができないのでスキャン後の画像を見てもイマイチはっきりしない写真が多く、満足できないことが多かった。しかし、白黒の写真をたくさん見て撮り方を研究したり、赤や黄色のカラーフィルターを買って撮影方法を工夫してみたら徐々にイメージ通りに撮れるようになってきた。慣れてくると楽しくなってくるもので、撮影枚数も自然と増えてきた。

また、カラーに比べて自家現像が容易というのも楽しいところの一つ。自家現像できるとフィルムの表記通りの感度で撮らなくても、現像時の処理を工夫することで好きな感度で撮れる。例えば感度400のフィルムだと、夕方まで撮りたいときや森の中など薄暗いところに入るときなどはISO800相当まで増感するなどして対応できる。最高でHP5+をISO1600相当まで増感したこともあり、日没後でも撮影を続けられるので非常に楽しかった。


他にも現実的な話をすれば白黒はSNSではあまりイイネが付かないのも良い。逆説的に聞こえるかもしれないが、私にとってこれが白黒の最大の利点である。イイネという数字が出る以上できるだけ多くしたいと言うのが人間の性であるが、白黒写真は伸びないことで定評がある。私は元々インスタが初めて扱ったSNSであるが、2年ほど前は私のアカウントでも順調に成長させられていた。しかし、いつからかアルゴリズムが変わって短い動画が重視されるようになり、写真はほとんど相手にされなくなってしまった。アルゴリズムの変更から少しの間は頑張ってみたものの、日に日にアクセス数は落ちてしまい、リールを投稿しない私は完全に「ダメアカウント」判定されたことを悟った。

何をしてもダメなわけであるので、インスタの投稿も面倒だし辞めてしまおうかと思っていた。幸い人から止められたので続けることにして、代わりに少しずつ撮るようになっていたモノクロのスナップを上げるようにした。誰に見せるわけでもなく半ば自分の写真の記録としての位置づけにして、一応の役割を与えた。それにインスタであれば人にどのような写真を撮っているのか聞かれたときにもポートフォリオとして使いやすい。

イイネを気にしなくなってからはある意味で非常に快適になった。写真を撮るときも前よりも自由であるし、季節に合わせて投稿しなくても良い。

かと言って気に入った写真を全て投稿しているかというとそういうこともない。このblogも例外ではないが、本当に好きな写真は出さないことにした。この「本当に気に入った写真は人に見せない」と言う人が一定数いるが、この感覚がなかなか分からなかった。しかし、SNSに限らずネット上に上げた写真の賞味期限は高々数日である。より持続するnoteでも私のようなライフハックを書くでもないスタイルでは持って2週間である。夜道を運転して高いガソリン代を払い、現像してスキャンに出してとそれなりの苦労がある訳であるが、それがたったの数日となると割に合わないと最近は思うようになってきた。(ネット上に放出するということはAIの学習対象にもなるし、コンテストの要件に掛かることもある。)
SNSのことを気にせずに撮りたいように撮った結果、白黒写真の撮影枚数が一気に増えたこの冬であった。話は戻るが、自家現像はある程度習得できたので次はプリントにステップアップしたいところ。無事に成功したらレポートをまとめたいと思う。
今週はここまで。今週も皆様にとって良き週末となりますように。