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カメラを持って"世界"を歩こう。

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[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2024/11/8

自転車に乗る少年と青春18きっぷ

前回のお話

 いつもはカメラとか写真について記事を書いているが、たまには時事的なことも書いてみようと18きっぷに触れることにした。当blogでも旅行記みたいなものを書くこともあるので、それほど本旨からは外れていないと思う。ただし、筆者は18きっぷを一度も使ったことがないので、「こたつ記事」だと批判されても反論の余地がない。そのような記事が苦手な方は読まないことをおすすめする。

 さて、私は特別な理由がない限りは旅行には車を使う。まさに鉄道を弱らせている張本人なのである。しかし、夜行バスとか飛行機とかも使わず、自分で運転していくのが好きであるのと、鉄路に比べて道路が好きであるということを弁明しておきたい。

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 私が中学生だったころ、当然何の乗り物の免許も持てないし、月800円の小遣いでは電車は夢のまた夢であった。何ヶ月も貯金しないといけない上に、その程度のお金では移動できる距離も高が知れている。そんな中、唯一無料かつ自由に移動できる手段が自転車だった

 ロードバイクとかクロスバイクのようなスポーツバイクではなく、いわゆるルック車で重い自転車だったが、中学生だと疲れても案外回復するので、結構な距離を走れた。初めは大阪府内だけだった移動範囲も徐々に広げていき、遂には県境を越えるようになった。

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 高校生になると月のお小遣いは5000円になり少し余裕ができた。私の高校は自称進学校だったのでアルバイトは禁止だったし、当時は部活動でそれどころではなかった。お小遣いは増えたものの、本を買ったりCDを買ったりしていたので、旅費に割ける金額はさほど増えず、結局自転車で移動していた。その代わりに年に一度だけは近鉄で伊勢に行くようになった。ただし、特急券は買えないので普通列車のみである。

 この頃が自転車での移動距離がピークに達し往復で110kmほどになった。大阪から長谷寺まで行ったり、大阪南部まで行ったりと、車にしては近いが車と似たような行動範囲になっていた。

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 その後大学生になってから、旅費に使える金額が増えたかというとそういうこともなく、学費の支払い、自動車の免許の取得と案外費用の掛かるものが多く、大学生の3回生までは使える金額はさほど増えなかった。

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 しかし、3回生の後半になるとついに念願だった自動車を購入し、自由な移動が可能となった。これまで移動というとひたすら自転車で移動してきたので、道路を使うのが基本であったし、線路の通っていないところに行くことも多かった。4回生の夏には夜通しの運転で念願の白馬に行くことができた。幼い頃から白馬にスキーに連れてもらい、夏にも何度が訪れていたので旅行と言えば白馬だった。夜行列車とかも現在はほとんど走っていないし、朝から現地で行動するには自動車となる。夜行バスという手もあるが、早朝にバスターミナルに放り出されるし、どうしても喧しいイメージがあるのであまり使う気にはならない。

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 旅行以外でも高速道路さえ使わなければガソリン代だけでどこでも行ける。それが私にとっての「18きっぷ」のようなものであった。発売期間とかもないし、途中で寝てもいいし電車の動いていない時間も移動可能である。

 鉄道旅と車の旅では随分違うだろうと言われるかもしれないが、私は基本的にナビを使わないので時刻表の本の代わりに地図帳を開く。

 また鉄道を全く使わないかと言えばそうではなく、毎年のお伊勢参りは近鉄で行くし、少し前には初めて寝台特急に乗車した。寝台特急はもともと興味があったし、あの快適性と楽しさは他ではまず味わえない。現地で細かく移動する必要がなく、寝台特急が走っているなら多少高くても鉄道を選ぶと思う。

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 ダラダラと思ったことを綴ってきたが、今回の改訂で連続利用の必要性や3日券にしては高いこと。普段鉄道を使わないような人間にとって普通電車のみで3日間1万円は全く旨味がない。まぁ、私のような人間は相手にしていないのだろうが。

 現在の地図を見ると至る所に高速道路が整備され、交通の不便な所では無料で開放されている高規格道路もある。国として長距離の移動は完全に線路から道路に移行してしまい、単なる速達性では自動車移動や高速バスに太刀打ちできないだろう。新幹線を使えば速いじゃないかと鉄道会社は言うかもしれないが、我々庶民には高すぎる。あんなものを使ってしまったら旅行の予算のほとんどが交通費で消し飛んでしまうばかりか、車と違って荷物を持って移動しないと行けないし、持っていける量も明らかに少ない。

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 昔に比べて交通手段は確実に豊富であるし、安くて速く移動できる選択肢もかなり増えた。今回は18きっぷの「改悪」にかこつけて鉄道について思っていることを書いてみたわけであるが、廃線や三セク化による線路の分断に伴う移動の自由度の低下などを考えると今後さらに鉄道の歩む道は険しいのではないかと思う。旅に出るなら車と鉄道を困らせている張本人である私があれこれ言うのはおこがましい訳であるが、鉄道ファンではない者はだいたいこんな人間なのではないだろうか。

 間違いなく鉄道には道路では得られない体験が潤沢にあると私は信じているわけであるが、なくなる前に気付いていただければと感じている。それでは今週はここまで。今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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