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[アナデジ写真記]

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2024/6/14

大阪スナップ-vol.2

前回のお話

 前回は出発から大阪天満宮までの前編。今回は自転車での大阪スナップ後編を綴る。

 天満宮まで来れば大阪はすぐそこで、ひとまず梅田新道交差点を目指す。

 梅田新道(うめだしんみち)といえばこれ。道路元標。国道1号の終点かつ国道2号の起点であり、いくつもの国道の起終点になっている。国道1号の起点、東京日本橋にも道路元標があり、こちらも有名である。

 道路元標を見たらここから北上し梅田へ。大都市の都心と言うのは自転車には非常に優しくなく、歩行者は地下か歩道橋を通るので交差点に横断歩道はない。法規上は当たり前ではあるが自動車と同じように多車線の道路を自転車で渡るのはなかなかに恐ろしい。それに道端には路駐されているので避けるしかないが、避けるために中央に逃げると後ろからベンツにクラクションを鳴らされる。さすがおベンツ、碌でもない。

 芝田の交差点を越えるとさすがにこのままズカズカ進むのも恐ろしいのでヨドバシの裏へ逃げる。JRバスのターミナルを左に見て大きなビルを回り込む。

 休日の昼間というのもありすごい人数である。先程までは車に煽られながら走っていたと思ったらここからは歩行者ぶつからぬようゆっくりと道路を渡り、なんとか車道に出てもすぐに横断歩道に引っかかる。時間をかけて群衆を抜けて国道176号の橋を登り関西一の大河、淀川を渡る。

 対岸の十三は下町。昭和の町並みが未だに残っている。そのまま十三へ下ると人が多いのでこれ以上は進まないことにする。

 河原でしばし休憩したら引き返すことにした。

 ここまで来る伊丹空港までわずかであるため南東からひっきりなしに飛行機が飛来する。

 堤防に登り地上に目を向けると線路もたくさん引かれており、地上も上空も血流のように人が流れている。

 堤防を越えたら今度は降りて阪急の三複線の線路をくぐる。大きく回り込んで国道176号に復帰し、再び十三大橋を渡る。広々とした鉄の大河をたくさんの阪急電車が渡ってゆく。極小の中津駅を通過して今度はJR線を鉄橋で越える。戦前でも大阪の交通網は立体化されており、布を織るように縦横無尽に張り巡らされていた。街を焼かれてしまったことから直線化したりまとめたりして整理されたが、国鉄と関西私鉄の親和性は非常に低く、たくさんの駅と線路がひしめき合っている。

 阪急梅田駅から大阪駅を望む。うめきたに新ホームができ、その構造はかなり巨大で複雑になった。大阪駅を右に見て中之島まで南下する。

 中之島は大阪本来の中心地であり、日銀の大阪支店や住友銀行など巨大銀行の大阪本店があったりと金融街を形成している。辰野金吾の中央公会堂も戦前からの変わらぬ威容を誇っており、背後の中之島図書館、大阪市役所と官庁街としても一級のものである。

 中之島を川を遡るようにして先端まで進み先端の中之島公園までゆく。途中のバラ園は終わりかけではあるのものの大変な賑わいを見せており、高架下の公園ではサークルの練習であろうか様々な団体が活動していた。

 螺旋状のスロープを使って天神橋に上がり、本格的に帰路につく。ひとまず京橋へ進み大阪城公園の北辺に出ることにした。

 京橋へもあっさりと到達でき、人道橋の大阪橋を渡って緑を従えた大阪城を見る。

 橋を下ると公園の出入口があるのでここから進入。大阪砲兵工廠の化学分析場の跡の前を通る。現在ではただの廃墟であるが、現役時代であれば間違いなく私はお縄である。砲兵工廠の遺構はもはやこれだけであり、日向の建造物だけ残すのではなく、日陰の建物もしっかり残してほしいと思う。日陰だから絶対悪というわけではなく、当時は必ず必要なものであったはずである。後の世になって「悪」と決めつけるのはいささか無責任であるように感じる。

 さて、ここからはカメラをしまい、本格的に大阪市内から撤退。スポーツバイクであるので帰りも素早い。久しぶりにまともに運動したように感じる。これっきりになってしまうとまたもや運動不足であるので定期的に乗りたいと思う。それでは今回はここまで。今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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