[アナデジ写真記]
毎週だいたい金曜日に更新するblog。
2024/3/29
奈良公園お写歩
いつもはフィルムばっかりだが、今回は久しぶりにD780で写真を撮りに行ってきた。私のblogはいつも遅れているのでまだ梅の写真だ。
奈良公園は私にとっては最も身近な撮影地であり、写真を撮りたくなると取り敢えず奈良に来る。幾度となく当blogでも書いているので今更観光紹介のような記事は書くまい。
梅。ホワイトバランスをホワイト優先にしたままだったので、ものすごく白くなってしまった。その代わりに梅の花がピンク色で実に可愛らしい。片岡梅林は一気には咲かないようで、木ごとに咲いていたり蕾だったり散っていたりとバラバラである。梅を撮って3週目だが、まだ来週も撮れそうだった。
梅林を後にして飛火野へ。飛火野北側の春日大社参道との間は森になっており大きな木々が生えている。森の手前には株立ちした大きなクスノキが存在感を放っている。近づいて樹皮を見てやればノキシノブが太い枝を覆っていた。
さらに森の奥に入っていく。差し込む光は細く研ぎ澄まされていく。
暗いところは真っ黒に潰して明るい部分だけを写し取る。明暗差を強調して撮れるのがデジタルの良いところだと思う。リバーサルであればフィルムでも可能だが、現在の売価を考えるとそう易易とは使えない。
森を抜けたら春日大社の参道に出る。春日大社には行かずに今回も二月堂へ向かう。奈良公園なので鹿は至る所にいる。奈良公園は生活圏であった私にとっては鳩と同じ様なものである。
昼ご飯の量が少なかったのか、まだ16:00であるにも関わらず空腹を感じるようになってきた。ちょうどそこに鹿がいたので「食っちまうぞ」とか言ってみた。するとその鹿は私に近づいてきたのだ。どうやら食べられたいようだ。
私は非常に温厚な性格をしているので、写真を撮るだけにしておいてやった。ここで徳を積んだはずであるにも関わらず、私の目の前には天敵が現れた。
春の杉だ。もういつからかわからないほど昔からこやつには苦しめられている。この世は非情なものである。
幸いなことにこの杉はまだ戦闘態勢が整っていないらしくダメージは受けずに済んだ。そそくさと手向山八幡宮の前を通って逃亡する。八幡宮はすでに営業を終えているようだ。
またしても何も知らずに二月堂に来た私だったが、今回もお水取りだったようだ。まだ明るいのだが、順番待ちしている人が多数見えた。
階段を登り舞台へ。運動不足の体には石段が堪える。二月堂も数えられないほど来ているが、毎回登るのが辛い。
二月堂は完全に西を向いているので、眺める夕日は格別である。特に夏は暑さが落ち着き始め、徐々に太陽が落ちていくのを眺めていると心が清められる。京都にも舞台があるが、(私にとっては)良くわからない方向を向いていたり、眺めもイマイチなので私は二月堂が好きだ。
さすがに空腹に耐えかねるので、階段を下りる。太陽が落ちる様を見たいがまだ冬である。寒いので車に戻ることにした。
帰り道を照らす光は黄色みを帯びていく。レタッチをしないで写真を仕上げようと思って歩くようになってから、光がよく見えるようになった。強い光、優しい光、温かい光。同じように見えて毎日全く違う光が私を照らしている。
さて、明日はどんな光が空からそそぐのだろうか。