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カメラを持って"世界"を歩こう。

[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2025/3/7

はじめまして。そしてさようなら。

前回のお話

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 前回は冬の日本海に行った話をしたが、帰りに悲しい出来事があった。丹後から順調に国道を帰ってきて、中央環状線を東に万博の前を走行していた。予想通り渋滞に引っかかり、吹田ICから近畿道に上ろうと計画していた。渋滞に並び、発進しようとアクセルを開けるが、エンジンは一向に吹けない。タラタラとクリープで進んでいたが、それも怪しいので第3走行車線から路肩まで逃げようとしたが、途中でエンジンは停止してしまった。再始動するとなんとか掛かり、路肩まで逃げることに成功した。だが、これ以降一度もこの車のエンジンが掛かることはなかった。JAFに連絡してきていただき、軽く診てもらうと燃料ポンプの故障だった。

 自力での帰還は困難でありレッカーで駐車場まで運んでいただいた。今回の旅は経ヶ岬手前までの往復420kmの旅で途中は雪道だった。丹波の山中でもなく、高速道路でもなく、なんとか路肩に寄せられたタイミングでエンジンが完全に掛からなくなってしまったことに「車の意志」を感じずには居られなかった。乗り心地の硬いレッカー車に揺られながら、そんなことを考えてしまう。

 計画よりも随分遅くに帰宅し、ひとまず夕食を取って今後を考えることにした。修理すべきか、乗り換えるべきか。

 写真撮りにとって車は最も大切と言っても過言ではない。車が無けりゃカメラがあってもどこへも写真は撮りに行けない。

 ひとまずは修理することを考え、再度レッカーを依頼して購入した販売店へ運ぶことにした。少なくとも燃料ポンプの修理とオートマの修理は必須である。以前からオートマの滑りも疑っており、オイルの交換になるだろう。どれくらいの修理費になるか聞いてからにしようかと思ったが、予想される修理内容を考えると結構な金額になることは明らかだった。車齢は19年になり今後も多数の修理が必要になるし、不動になったタイミングを考えると無理に修理するのも無粋かと思うようになった。

 となると車を乗り換えることになるが、せっかくMTで免許を取ったので一度はマニュアル車に乗ってみたいので、予てから薄っすらと考えていたマーチnismoを探してみた。

 ある。白いマーチが姫路にある。黒なら登美ケ丘にあった。このマーチだと私の好みは白。姫路は遠いし黒なら買わないので、ひとまず保留で、診断結果を待つことにして床に就いた。

 翌朝。このことを父親と話していると姫路まで車で走ってくれることになった。写真で見る限りは結構綺麗で、それほど問題点はない。半分は買うつもりで姫路へ向かった。3時間ほど走り、中古車屋へ到着。やはり綺麗な車体だった。特段問題点は見受けられず、唯一の問題点は前のオーナーが天井に貼り付けたカーボン調のシールが重く、天張りが剥がれかかっていたことだ。交渉の結果、天井は新品になり、購入することにした。

 ここから急いで車庫証明や今の車の処分方法についての書類を用意し、銀行でローンを組んだ。ほとんど順調に手続きを進められたが、勤め先がなかなか源泉徴収票を出さず、ローンの決定が遅れて納車まで1ヶ月もかかってしまった。

 車が止まってからの1ヶ月間、車のない生活は耐え難いものだった。大阪に住んでいるので日常生活に困る訳では無いが、車を使えないという足枷は非常に重かった。途中に大きな寒波が来て絶好の撮影日和だったが、自分の力では行けないというのが非常に堪える。

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 待ちに待った納車日がようやく訪れ、朝の新快速で姫路へ向かった。2時間程で中古車屋に到着した。やはり新快速は速い。もう全ての書類はできているので、簡単に説明を受けて車は引き渡された。4年ぶりのMT車。教習所以来である。私のような若者が普段からMT車に乗っているわけもなく、無事に帰れるのかディーラーに心配された。私と似たような客で店の前でクラッチをパーにしてしまった人がいたようだ。

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 まさかそんな失敗を犯すわけはないが、聞いてしまうと幾らか不安である。発進時にエンストしてしまったが、無事に店を出発して姫路バイパスへ向かう。バイパスへのランプウェイを登り本線の速度まで加速する。ペダルを踏み込めば座席が背中を押し、前の車ではなかった力強い加速感を感じる。

 バイパスから第二神明を経由して阪神高速で帰ろうかと思っていたが、事故で激しく渋滞しているのでさっさとバイパスを降りて山陽道で帰ることにした。制限速度も高いし料金もそれほど変わらない。エンストに怯えながら一般道を進み、花田ICから高速道路に上がった。

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 山陽道は制限速度が100kmまであるので、100kmまで加速。これまでは80kmからの加速がなかなか大変で、下り坂を使って100kmまで加速し、その後上り坂などで失速しないように工夫しながら走っていた。しかし、これからは上り坂だろうが関係なくスムーズに目的の速度まで到達できる。この喜びは大きかった。

 途中昼食を挟んで3時間ほどで無事に自宅まで回送できた。最寄りのICで降りてからはエンストすることもなく、すんなりと帰宅できた。4年ぶりに教習所以来のMT車の運転であったが、案外なんとかなるものだった。

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 そしてその翌週。今度はディーラーに預けていた前の車の荷物を取りに行かねばならない。前の車を見られる最後の機会であるので、かなり寂しかった。出力の小さな車であるので快速性は小さいが、私にとって初めての車であり、白馬まで2回、松山にも出かけた車だった。それ以外でも何回も日帰り旅行に出かけており、思い出深い車だった。色々といい思いをさせてもらった相棒であったが、残念なことに人間の寿命の方が長い。

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 必要な荷物を取り出して車の元を後にした。所詮はモノではあるのだが、愛着があるのでできる限り何も手放したくない。今回買った車も中古車であるので、新車に比べれば早く寿命が来るのだが、可能な限り大事に使って、適宜手を入れつつ長く乗っていきたいと思っている。

 そんなところで今回は終わり。いつもは写真やカメラの話であるが、今回は旅行に欠かせない車の話。

 それでは今週も皆様にとって良き週末となりますように。

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