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カメラを持って"世界"を歩こう。

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[アナデジ写真記]

毎週だいたい金曜日に更新するblog。

2024/8/16

PENTAX17が届いたので試し撮りしてきた。

前回のお話

 20年ぶりに新しいフィルムカメラが発売されて、銀塩写真界隈のみならず、カメラの楽し

 む人々の輪も越えて、これまでにない広がりを見せている。

 そんな話題の最新式のフィルムカメラであるPENTAX17がついに私のもとにも届いた。翌日に撮り、2時間後に現像しその2時間後に写真屋にスキャンを依頼するという速度感で試運転をしてきた。

 新品のフィルムカメラを触る機会はないだろうとこれまでは考えていたので、記念すべき最初の1ロールは何にすべきか考えてきた。できるだけ自分の手で唯一のファーストロールを楽しむべく自家現像可能な白黒フィルムにすることにした。

 場所は奈良公園。新しく入手したカメラは必ずここで試すようにしている。奈良は最も良く撮っている場所であるし、撮れない写真はほとんど無いのではないかと思う。寺社仏閣だらけで、ならまちもあるのでスナップや旅行風の写真はもちろんであるし、鹿がいるので動物も可能。飛火野は草原になっているので工夫次第で広大な草原としても表現可能である。

 さて、事前説明はこの辺にして、撮った写真を紹介とちょっとしたレビューをしようと思う。当日は朝の5時に出発し、6時頃到着した。山があるので日の出は過ぎているが太陽は出てこない。

 まずは飛火野。

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 ピント位置を変えるのを忘れていてピンボケしてしまった。

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 若干アンダーに感じるがこんなもんだろう。飛火野を横断したら東大寺二月堂へ向かう。

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 露出補正を-1.0に。露出はちょうどだったがピントを外してしまった。ゾーンフォーカスのゾーンが0.5mの次が1.2mでこの辺りが少し難しく感じた。

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 手向山八幡宮。

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 そして二月堂に到着。飛火野から二月堂まではそれなりに距離があるのだが、今回は距離をあまり感じなかった。軽快なシャッターフィールが心地よく、歩くのも楽しくさせてくれた。

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 横の石段を上がり廻り縁へ。正面には大仏殿の大きな屋根が見え、その背後には朝日を浴びてキラキラ輝く奈良の街並みが広がる。そんな風景も換算37mmのレンズなので広々と写す事ができた。

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 まだ6時台なので人も少なく、地元の人々が中心のゆったりとした時間が流れる。盆ということで私も香炉に線香を立て、手を合わせて後にする。

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 裏参道を下り大仏殿を目指す。

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 途中の水田。影を強調するために-1.0の露出補正を行った。私は普段から中央重点測光ばかりであるため部分測光は非常に使いやすく、狙った通りの露出になった。他のコマもこれと言って補正はしていないが、露出を外すことはなく満足のいく結果であった。

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 今度は振り返って逆光にして撮ってみたが、ゴーストもフレアもなく完璧だ。パンフォーカスを出すために結構絞られているらしく、光芒もきれいに出ている。また、デジタルとは異なり水面の光が反射している箇所はハレーションが出てぼやっと輝いている。

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 さて、ここからさらに歩みを進め、大仏殿の前まで来た。

 池の中には木漏れ日が差し込み、水中の微粒子に木々の形を投影していた。またこの写真もフィルムに含まれる無数の微粒子たちによって構成されているのである。

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 そろそろフィルムカウンターも60台後半になり終りが見えてきた。いつもの倍撮れるのでデジタルカメラの如くレリーズを押し続けてきたので当たり前ではある。思っていたよりもすぐであった。同様に大仏殿の横まで下りてきたので早朝の散歩もそろそろ終了である。

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 最後は回廊と東大寺の屋根。

 これでPENTAX17の試し撮りは終了。ゾーンフォーカスの設定ミスなど私の鈍臭さによるものを除けば失敗のない優秀なカメラであった。先程も触れたようにAE(自動露出)が非常に優秀であり、露出を外すことはなかった。ちなみにこの記事に掲載している写真はスキャン時に補正をしていないので、作例として見ていただいても差し支えないと考えている。初心者で初めてフィルムカメラを使うという人でも欲しい絵はだいたい撮れるのかなと感じている。カメラに慣れてきてもっと露出を追い込みたいとなると補正してやるといいのではないかというのが使ってみた感想である。

 大きさ・重量に関しても同様に非常に満足している。やはりイメージセンサも処理エンジンなども搭載していないことから重装なヒートシンクが不要であるからか非常に軽量であり小型である。その上外装は金属製であるため所有欲を満たしてくれるし、塗装も所謂「チタン色」なので大きな加点が入る。

 また、メモホルダーやフィルムカウンターなどアナログな表示形式に統一されており、デジタル的要素は外観には一切現れていない。これがフィルムで撮っているんだという感覚に水を指すことなく、どっぷりとアナログな撮影体験に浸ることができる。

 一方で、先程も述べたようにAEやレンズのコーティング技術などデジタルで培われたものを存分に投入されている。実際に使った感覚もアナログとデジタルの融合というのが一番しっくりとくる。

 以上が今回初めて17を使ってみた感想である。初めの1巻が白黒であったので次はネガカラーで試してみたいと思う。それでは。

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