[アナデジ写真記]
毎週だいたい金曜日に更新するblog。
2024/1/13
デジタルとフィルムの楽しい関係
フィルムカメラであるNikonのNewFM2を2022年の10月に購入して1年と2ヶ月が経ち,2023年8月に同じくNikonのD780を購入して4ヶ月が経った。ようやくD780の使い方にも慣れてきて,お互いの良い所が見えるようになってきた。
元々は最初にFUJIFILMのX-S10あたりを購入する予定であったが,家の押入れからMINOLTAのα3xiが出てきてフィルム沼に落ちてしまい,頑丈なFM2を購入することに。フィルムの使用本数も順調に伸びていたのだが,上達するには撮影枚数が明らかに足らないことからD780も購入することを決めて購入した。
そんな訳でデジタル世代のフィルム沼の住人がフィルムカメラとデジタルカメラのより良い関係性について考えていきたいと思う。
まずはそれぞれの利点と欠点について。あくまで私の見方であり,決まっている訳ではないところをご承知おき願いたい。
フィルムカメラ
利点
1.撮影体験が上質である。
2.フィルムで写真を撮ること。
3.機械式であれば写真の基礎を学べる。
4.上手くなる要素が多い。
欠点
1.ランニングコストが嵩む。
2.撮れているかが分からない。
3.難しいことが多い。
4.アンダーに弱い。
デジタル
利点
1.ほぼ無限に撮れる。
2.ランニングコストは基本ない。
3.すぐに画像を確認できる。
4.機能が優れている。
5.後で加工が容易。
欠点
1.撮影体験と呼べるものが乏しい。
2.写真の基礎を学ぶには不向き。
3.後の加工に終始しがちになる。
以上が私の思うフィルムカメラとデジタルカメラの利点と欠点である。眺めてみるとそれぞれ対極の立ち位置にあるように思う。フィルムカメラの利点である「撮影体験が上質である」ということは欠点の「ランニングコストが嵩む」と「難しいことが多い」の反対であり,これを解消したのがデジカメの利点である「無限に撮れる」と「ランニングコストは基本ない」ことである。しかし,これは「撮影体験に乏しい」ことに繋がっていると思う。このフィルムカメラの上質な体験とデジカメの無限に撮れるという部分はコスト面に関することで,フィルムカメラの写真の基礎を学べる部分とデジタルカメラの機能性に優れているという部分は技術面に当たると思う。
始めに技術面の部分に焦点を当ててみる。
まずは,デジタルカメラが写真の基礎を学ぶにあたって不向きだと思う理由から。それはAモードなどのAE(自動露出)が優れているのでカメラが写真を撮ってくれること,後加工が容易であるためレタッチに終始しがちになることが理由である。それゆえに「露出」が語られることは少ないように感じている。
一方で機械式のフィルムカメラの場合だと,自分で露出を決める必要がある。露出計の付いたカメラであればファインダー内の露出計と相談しながら,絞りとSS(シャッタースピード)を決めていく。より古いものであれば露出計が内蔵されていないため,手持ちの露出計で光量を測ってやる必要がある。フィルムカメラで露出の概念を掴んでからデジカメに戻ってみると以前と写真が見違えるようになったと実感している。
次にコスト面について
私は1枚1枚フィルムを巻き上げながらしっとりと写真を撮りたいときはフィルムカメラを使うようにしている。フィルム1巻で36枚しか撮れないので丁寧にじっくり撮りたいときには非常に向いている。出かける前にフィルムをカメラに詰めて,帰ったら現像に出す。手間はかかるが,この手間が非常に愛おしいものである。
一方で,とにかく大量に撮りたいとき,光量が安定せず条件が厳しいときはデジタルカメラを使うようにしている。晴れたり曇ったりで天気がややこしいときや室内でも感度を自由に変えられるため,対応可能である。また,ネガフィルムはアンダーが苦手で色が濁ってしまうが,デジタルでは濁ることなく暗い部分もしっかり写ってくれる。
さらに,色々な露出で撮って遊びたいときもデジカメが向いている。フィルムに比べて変化が分かりやすいので,夕日の当たっている部分だけを撮ったり,暗くなっている部分もハッキリと写してみたり。
こんな感じでフィルムとデジタルは正反対の位置にあるように感じており,お互いの苦手な部分をそれぞれ補完するように使うと非常に楽しい写真ライフを過ごせる。せっかくアナログとデジタルの両方を楽しめる時代に生まれたので,両方の良いとこ取りでこれからの写真を撮っていきたい。
今週はここまで。今週末も皆様にとって良き週末となりますように。